志磨参兄弟/鍛冶屋のFUNK
こんにちは、gariです。
最初に何を記事にしようかと思案しましたが、やはり自分が最も愛してやまない作品に関して書き始めてみたいと思います。後述の通り、志磨参兄弟は現在無期限の活動休止期間にあり、このブログがどなたかの新しい出会いに貢献出来るならば、適していないかもしれません。
ただ、あくまで「活動休止中」ですので、このような小さな声が、いつか彼らの再始動に一役買えば…と願いながら、記念すべき初回投稿とさせて頂きます。
志磨参兄弟
来歴
元々、大学の同級生であったアグラ神楽(MC)、我凡(MC)、DJ SHINCAR(DJ)の3名が2MC+1DJの体制で神奈川県でスタートさせたクルー。2001年の活動開始後、2005年には活動拠点を京都に移し、2009年以降はDJ SHINCARの脱退を機にバンド体制となりました。
バンド体制への移行後は、ギターやベース、ドラムに加え、サックスや三味線も含めた大所帯バンドとして、所狭しとダイナミックなライブ活動を精力的に展開していきました。
Fuji Rock Festival(2010)や京都大作戦(2012)、Summer Sonic(2012)など、日本を代表する音楽フェスにも参加し、今後ますますの活躍をファンとして期待していましたが、2017年に惜しまれつつ無期限の活動休止となりました。
音楽性
何を差し置いても彼らの音楽の根底にあるのは「和」。
それは「和風のサウンドを取り入れる」といったものではなく、和そのもののスピリットに根差しているということを指します。
バンドメンバーに三味線がいることもそうですが、2MC+1DJ体制の時代から、その信念にブレが一切ないことも彼らの格好良さの一要因ということが出来ます。
この信念は決してサウンド面だけではなく、歌詞における言葉選びや我凡の歌い回しにも如実に表れており、私たちの目が黒いこと、髪の毛が黒いことを鮮烈に印象付けてくれます。
鍛冶屋のFUNK
楽曲
2014年10月にリリースされたシングルで、プロデュースはあのRhymesterのDJ JINです。当時は各種SNSで制作風景がたびたびアップされ、リリース日まで日に日にテンションが高まっていったことを覚えています。
尚、DJ JINはプロデュースのみならず、曲中にもMVにも登場します。
以前から志磨参兄弟とDJ JINの親交は深かったようで、当時は頻繁に同じイベントにクレジットされていました。
歌詞世界
DJ JINプロデュース 志磨参兄弟「鍛冶屋のFUNK」 MV
百聞は一見に如かずというやつですね。
「本物とは」ということについて歌われていますが、そこに現れる自信は彼らならではの響きです。知名度こそ低いかもしれませんが、当時、和製HIPHOPをここまで高いレベルで実践しているグループ・バンドは他に存在していなかったと思います。
ただ彼ら自身、当然まだまだ未熟な部分があり、それを補うのは日々の鍛錬であるというのがメッセージの根本かと感じます。
願わくば、日々の鍛錬で今もなお高いレベルの楽曲が生み出され続けていれば…とは思ってしまいますが、今の時点でこの思いは野暮ですね。
この『鍛冶屋のFUNK』では、聴衆とのコール&レスポンスも多分に意識されています。上のリンクを見て頂ければ一聴瞭然ではありますが、ここでの高揚感は筆舌に尽くしがたいものがあります。
我凡の煽りに続く「見せてやろうか心意気」の部分は、志磨参兄弟の数ある楽曲においても最高レベルのカタルシスをもたらせてくれます。
実際の現場でもライブの盛り上がりが最高潮に達する瞬間の一つでした。
まとめ
初回は私が愛してやまないHIPHOPバンドである志磨参兄弟の『鍛冶屋のFUNK』を取り上げさせて頂きました。冒頭で申し上げた通り、彼らは現在活動休止中ですが、個々の活動はそれぞれにスタートしています。MCのアグラ神楽はソロMCとして複数曲をリリース済みですし、ギターのハルク大西やベースのOCYAは別バンドでの活動にも精力的です。
間近で彼らを見てきたファンの一人としては、それくらいバラバラな方が彼ららしいな、とも思ってしまう訳です。それほどまでに個性的な面々が奇跡のバランスで成り立っていたのが志磨参兄弟だとも思うのです。
「今すぐにでも新曲が聴きたい」という思いがないといえば嘘になりますが、いつかやってくるであろう再始動の時に、爆発的なインパクトを与えてくれるような新曲を待つのも悪くないでしょう。
ちなみに『鍛冶屋のFUNK』は、活動休止までのキャリアでも後期に発表された楽曲です。15年以上のキャリアの中で、彼ら名義の作品は他にもいくつかありますし、Amazon等での入手も可能です。
『運試し』 2005年リリースの1stアルバム(2MC+1DJ)
『春日』 2009年リリースの2ndアルバム(2MC+1DJ)
- アーティスト: 志磨参兄弟,Q-ILL,MISTA O.K.I,ポチョムキン a.k.a Freaky随喜,DJ SHIOTSU,SMALLEST,柴田康平,TWO-K,KOYO-TE,BESHALIST,人
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: CD
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その他複数のシングルも入手可能です(タイトルのみですが)。
いずれも個々にメッセージが明確な楽曲ばかりです。
別記事でこれらにもスポットライトを当てることがあれば、どうぞお付き合い頂けると光栄です。
それでは。